UA値ってなに?快適な家づくりに欠かせないUA値について解説!

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「UA値って何?」
「UA値ってなんで重要なの?」

UA値は住まいの断熱性に深く関わる重要な指標です。これから家づくりを検討している人の中にも聞いたことのある人も多いでしょう。

UA値を意識した家づくりができれば、快適な室内環境が整った暮らしやすい住まいにできます。しかし、ただでさえ聞き慣れない言葉が多い家づくりにおいて、UA値と言われても困惑してしまう人もいるはず。

また、UA値は国の省エネ対策として2025年にはUA値0.87が義務化されることもあり、今から理解しておくことが重要です。

そこで本記事では、UA値について徹底解説します。あわせて、重要とされる理由やUA値の基準値なども解説しているため、ぜひ参考にしてください。

目次

UA値とは

UA値とは、端的にいうと住まいの断熱性能の高さを測る指標のことです。外皮平均熱貫流率とも言われ、屋根や外壁・窓などの建物の表面を通して、家全体の熱がどれだけ外に逃げやすいかを表しています。

UA値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高いという意味であり、住まいの性能を数値で測れるとても便利な指標です。また、UA値は設計段階から計算ができるため、事前にどれほどの断熱性能を持つ家にするか決められます。

あなたの住む予定の地域とこだわりに合わせて、どれくらいのUA値にするか決めるようにしましょう。

UA値の計算方法

UA値は、一般的に以下の計算式で求めることが可能です。外皮1㎡あたりで、平均して何Wの熱が逃げるかを表しています。

UA値(W/㎡・K)=建物の熱損失量の合計(W/K)÷外皮面積(㎡)

UA値の単位は『W/㎡・K』であり、Wは逃げる熱量、㎡は外皮面積、Kは室内外の温度差を意味しています。

建物の熱損失量の合計は、屋根や外壁・床・開口部・基礎などの熱損失量の全てを合計して求めることが可能です。外皮面積は、屋根や外壁・床・開口部・基礎などの建物全体の面積を全て合計して求めます。

UA値はなぜ重要?

UA値が重要な理由は、断熱性能が住まいの快適性に直結するためです。断熱性能の高い家は、外気の影響を受けにくく、室内の熱を逃さないという特徴があります。

つまり、1年を通して室内温度の差が少なく、夏涼しく冬暖かい快適な室内環境の実現が可能です。

断熱性を上げることはヒートショックのリスクを軽減したり、結露の防止など、さまざまな恩恵があります。UA値が小さいほど断熱性能が高いことを示すため、住まいを建てる際には必ず確認しましょう。

【地域別】UA値の基準

ここまではUA値とは何か、なぜ重要なのかということを解説しました。では、一体どれくらいのUA値が必要なのか気になっている人も多いことでしょう。ここではUA値の基準を解説します。

まず、UA値は地域によって基準が異なるため注意が必要です。国土交通省が大きく8つの地域に分類して基準を決めています。地域別の値を以下の表にまとめているため、あなたのお住まいの地域の値を確認してみてください。

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地域区分12345.678
該当エリア北海道北海道青森・岩手・秋田宮城・山形・福島・栃木・新潟・長野茨城・埼玉・千葉・群馬・東京・神奈川・富山・石川・福井・岐阜・山梨・静岡・愛知・三重・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・島根・鳥取・岡山・広島・山口・徳島・香川・愛媛・高知・福岡・佐賀・長崎・熊本・大分宮崎・鹿児島沖縄
UA値(基準値以下になることが必須)0.60.60.560.750.870.870.87
参考:国土交通省

上記の表は国の定める基準ですが、決して高い数値とは言えません。より高い断熱性能を求めるならHEAT20や断熱等級を参考にすることがおすすめです。

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地域区分12345678
HEAT20 G10.340.340.380.460.480.560.56
HEAT20 G20.280.280.280.340.340.460.46
HEAT20 G30.200.200.200.230.230.260.26
断熱等級50.400.400.500.600.600.600.60
断熱等級60.280.280.280.340.460.460.46
断熱等級70.200.200.200.230.260.260.26
参考:国土交通省

省エネ効果や快適性を上げるなら、HEAT20のG2.3や断熱等級5以上がおすすめです。あなたのお住まいの地域によって最適な断熱性は変わるため、依頼先の住宅会社に確認してみましょう。

断熱等級とは

断熱等級とは『断熱等性能等級』のことで、『品確法』で規定された省エネ性能を表す指標です。1〜7までの等級があり、等級が高いほど断熱性能が高いことを示します。

最近、法改正によって2025年4月以降は全ての新築住宅に断熱等級4が義務付けられるようになりました。しかし、断熱等級4はそこまで高い断熱性能ではないため、採用するなら等級5以上がおすすめです。

断熱等級を上げる際には費用がかかりますが、高断熱による光熱費削減効果を考えると長期的に見て投資になります。補助金などを利用しながらうまく取り入れてみましょう。

HEAT20とは

HEAT20とは、一般社団法人『20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会』の略称です。また、同研究会が定めた住宅における断熱基準の名称でもあります。G1〜G3までの3つのグレードがあり、数字が大きいほど高い断熱性を示していることが特徴です。

国土交通省が定めた8つの地域に合わせて、それぞれの気候に適した基準値を定めています。HEAT20のG2.3は断熱性能等級の等級6.7相当のUA値となっていますが、HEAT20の方が少し厳しい基準となっているのが異なる点です。

断熱性を高める2つの方法

ここでは、断熱性を高める方法を解説します。方法としては以下の2つです。

  • 断熱材をしっかりと施工する
  • 高断熱の窓にする

それぞれ以下で詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。

断熱材をしっかりと施工する

1つ目の方法は、断熱材をしっかりと施工することです。当たり前のようですが、とても重要なポイントになります。なぜなら、断熱材の施工がしっかりなされていないと、隙間から外気が侵入し、家の断熱性は低下するためです。

また、断熱材の施工ミスは内部結露にもつながります。内部結露はカビを繁殖させ、家の老朽化を招くため注意が必要です。施工ミスなどのトラブルを避けるためにも、なるべく実績の豊富な会社に依頼するようにしましょう。

高断熱の窓にする

2つ目の方法は、高断熱の窓にすることです。窓は家の中で最も熱が出入りする場所になります。そのため、高断熱の窓にすることで断熱性を高めることが可能です。

高断熱の窓にするためには、窓ガラスとサッシの両方の性能を見る必要があります。なぜなら、ガラス部分だけでなく、サッシからも熱は伝わるためです。

サッシなら木製や樹脂製、ガラスなら複層ガラスやトリプルガラスなどがおすすめになります。あなたの求めるUA値に合わせてうまく組み合わせてみましょう。

UA値でよくある質問

ここでは、UA値でよくある質問を紹介します。今回紹介するのは以下の2つです。

  • Q値ってなに?
  • C値とはどんな関係?

それぞれ以下で詳しく解説するため、ぜひ参考にしてください。

Q値ってなに?

Q値とは『熱損失係数』とも呼ばれ、UA値に似た言葉として使われています。建物の熱がどれだけ逃げやすいかを示す指標です。

数値が小さいほど熱が逃げにくく、高い断熱性能を持つということを示します。しかし、Q値は住宅の形状によって数値が曖昧になり、正確な数字を出しにくいという背景から現在ではあまり使われていません。

また、2013年の省エネ基準改正から、住まいの断熱性能をより正確に計算するためにUA値を使用するのが一般的です。断熱性能の高さを測る際にはUA値を使うと良いでしょう。

C値とはどんな関係?

C値とは相当隙間面積とも呼ばれ、建物全体にどれだけ隙間があるかを表す指標です。気密性の高さを測る際に使用され、数値が小さいほど高い気密性であることを示します。

家づくりにおいて最も判断しづらい、施工の精度を唯一測れる便利な指標です。C値が小さいほど外気の影響を受けにくく、室内の熱を逃しにくい住まいにできます。UA値と同様に住まいの快適性や省エネ性を見る際に利用できるため、UA値とセットでみておくようにしましょう。

以下の記事でC値について詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

まとめ

本記事では、UA値について徹底解説しました。UA値は住まいの断熱性を数値で測れるとても便利な指標です。断熱等級やHEAT20のUA値を参考にしながら、暮らしやすい快適な家づくりをしましょう。

また、これから家を建てる人は、2025年にUA値が義務化されることや断熱等級4が最低基準になることを忘れないようにしてください。費用はかかりますが、断熱等級では等級5以上、HEAT20ではG1以上にすることがおすすめです。

高気密高断熱の住宅による光熱費削減効果を考慮しつつ、予算やプランを立てるようにしましょう。

本記事があなたのお役に立てれば幸いです。

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