「注文住宅を木造で建てたいけど、外断熱工法ってどうなの?」
「せっかく注文住宅を建てるなら、暖かくて省エネな家にしたい!」
注文住宅を建てるなら、誰しも快適で住みやすい家にしたいと思うでしょう。快適な空間で長く暮らすためには、高気密・高断熱などの住宅性能を高める必要があります。
そこで近年注目を集めているのが、木造住宅における外断熱工法です。
本記事では、家づくりで後悔しないために、木造で外断熱工法を選ぶメリットとデメリットを詳しく解説します。木造で外断熱工法を選ぶメリットとデメリットを理解することで、後悔のない家づくりに役立ててください。
木造住宅とは
木造住宅は、柱や梁などの構造材として木材を用いた住宅です。古くから日本の伝統的な建築様式として親しまれており、現在でも国内の約8割の住宅が木造と言われています。
木材は、空気中の湿気を吸収・放出する調湿性に優れた素材です。木材の調湿性のおかげで、木造住宅は室内湿度を快適に保ち、結露を抑制できます。
コンクリートや鉄骨などの素材と比べて熱伝導率が低いため、断熱性にも優れています。断熱性に優れている木造住宅は外気の影響を受けにくく、夏は涼しく冬は暖かい住空間を実現できます。
また、鉄筋コンクリート造や鉄骨造と比べて、建材や施工費用が比較的安価です。しかし、耐久性に劣るため、定期メンテナンスが必要です。
外断熱工法とは
外断熱工法とは、建物の外側に断熱材を施工する工法です。従来の内断熱工法とは異なり、建物の外側全体を断熱材で覆うことで、高い断熱性能を実現できます。
木造住宅は、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の住宅と比べて外気に影響を受けやすいという特徴があります。外気の影響を受けやすいと外断熱工法の効果を実感しにくい、という意見もあります。
しかし、近年では木造住宅に適した外断熱工法も開発されており、木造でも十分快適な住空間を実現可能です。外断熱で使用する断熱材は4種類あります。
- 無機質繊維系
- 天然素材系
- 発泡プラスチック系
- 断熱塗料
中でも木造住宅で採用されるのは、無機質繊維系か発泡プラスチック系が主流です。湿気に強く、耐水性があり、施工時に扱いやすいという点から、発泡プラスチック系断熱材のボードタイプが一般的です。
他の断熱材にもそれぞれ良い点・悪い点があるため、安全性・コスト・形状などを考慮して断熱材を決めましょう。
外断熱工法を取り入れた木造住宅のメリット
それでは、ここからは外断熱工法を取り入れた木造住宅のメリットを紹介します。内容は下記です。
それぞれ紹介していきます。注文住宅を木造で検討している方で、外断熱工法が気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
高い断熱性能を維持できる
外断熱工法を取り入れた木造住宅は、建物の外側全体を断熱材で覆うことが特徴です。内断熱工法では内側に断熱材を入れるため、柱は外気の影響を受けてしまいます。
外断熱工法では、魔法瓶の中に住宅を入れたような状態にできることで、温度を一定に保つ効果に優れています。夏は涼しく冬は暖かい、快適な住空間を実現が可能です。
また、断熱性の高い家は、室内の急激な温度変化を抑制できるため、廊下や脱衣所が寒いという状態を防げます。これによりヒートショックのリスクを下げる効果もあります。
省エネ効果が高い
外断熱工法を採用することで、室内の熱を外に逃がさず、外気の影響を受けにくくなります。エアコンの効きも良くなり、冷暖房費を大幅に削減可能です。
外断熱工法を取り入れた木造住宅は、冷暖房費を削減できることから省エネ効果が高いというメリットがあります。CO2排出量の削減に貢献できるため、地球温暖化対策にも有効です。
また、省エネ性の高い住宅は、基準を満たすと補助金が利用できる可能性があります。所得税や住宅ローン減税で省エネ性が必要なケースがあるため、賢く家づくりをしたい方は資金面でも省エネ性を意識して検討しましょう。
快適な室内環境を実現できる
外断熱工法を取り入れた木造住宅は、外側全体を断熱材で覆うことで、熱損失を抑えられます。夏は外気による室内温度上昇を抑え、冬は室内の暖気を逃がさないため、一年を通して快適な室内温度を保てます。
また、外の騒音が気になる方や、室内を静かな空間にしたい方にも外断熱工法は効果的です。外断熱工法を取り入れた木造住宅は、外壁材と断熱材の間に空気層を作るため、外部からの音を遮断する効果があります。
結露によるカビが防げることで健康的な生活ができる
外断熱工法を取り入れた木造住宅は、室内の暖かい空気が壁体内に入り込むのを防ぎ、結露の発生を抑えることが可能です。結露はカビやダニの発生原因となり、カビやダニはアレルギーや健康被害の原因となります。
小さなお子様やご年配の方のいるご家庭にとって特にメリットがあるといえるでしょう。外断熱工法を取り入れた木造住宅は、調湿性に優れた木材と、結露を抑える外断熱工法を組み合わせることで、健康に優しい空間を作れます。
外断熱木造住宅のデメリット
メリットが理解できたところで、次はデメリットについて紹介します。内容は下記です。
メリットだけでなく、デメリットもしっかり理解しておくことで、家づくりにおける後悔を大幅に減らせます。それぞれ紹介しますのでよく読んで検討してみてください。
内断熱よりも建築費用がかかる
外断熱工法は、高い断熱性能や快適な室内環境を実現できる一方で、内断熱工法と比べて建築費用が高くなります。内断熱の木造住宅よりも多くの断熱材を使用するため、材料費が高くなることが主な理由です。
また、外壁材の種類も限られるため、デザインによってはさらに費用がかかる場合があります。外断熱工法を取り入れた木造住宅は施工精度が重要であり、熟練した職人による施工が必要となります。
そのため、施工費も高くなる場合があります。外断熱工法を取り入れた木造住宅の建築を検討する際は、外断熱工法にかかる費用を踏まえてよく検討しましょう。
敷地面積に余裕が必要
外断熱工法は、建物の外側に断熱材を設置するため、内断熱工法に比べて壁厚が約10~15cm程度厚くなります。つまり、敷地面積に余裕がない場合、外断熱工法を採用すると室内空間が狭くなる可能性があることに注意しましょう。
特に、都市部などでは土地価格が高騰しており、限られた敷地に家を建てるケースが増えています。そのような場合、外断熱工法を採用すると、室内空間が狭くなる可能性があり、十分な広さを確保できないリスクがあります。
また、外壁が厚くなることで、日当たりが悪くなり、暖房費がかさんでしまうことにも注意が必要です。敷地面積に余裕がない場合は、以下の対策を取ると良いでしょう。
- 吹き抜けやハイサイドライトなどの高窓を設置して採光を確保する
- 断熱材の種類や厚さを調整し、壁厚を抑える
- 2階建て以上の場合は、屋上やバルコニーを有効活用する
外断熱工法は、高い断熱性能を発揮する優れた工法ですが、敷地面積などの条件によってはデメリットが生じる可能性があります。採用を検討する際には、上記の内容を理解した上で、慎重に判断することが大切です。
外観のデザインに制限がある
外断熱工法は、断熱材を建物の外側に設置するため、内断熱工法に比べてデザインの自由度が低くなります。外壁材の種類や色、デザインなどに制限がある場合があり、希望通りの外観を実現できないことも。
例えば、外壁材の種類によっては、外断熱工法に対応していないものがあります。また、外断熱材は厚みがあるため、デザインによっては壁面が重厚な印象になります。
さらに、外断熱工法は施工精度が重要です。施工が不十分だと、外壁材が剥がれたり、断熱性能が低下したりする可能性があります。そのため、外断熱工法に対応した経験豊富な施工業者を選ぶことが重要です。
外断熱工法で希望通りの外観を実現するために、以下の対策を検討しましょう。
- 外断熱工法に対応した豊富なデザインの外壁材を選ぶ
- 設計士や施工業者と相談しながら、デザインを工夫する
- 塗り壁やタイルなど、外断熱工法に適した素材を使用する
- サンプルを取り寄せて、実際に目で見て質感や色を確認する
デザインにこだわりたい場合は、内断熱工法も検討することをおすすめします。
後悔しない家づくりの秘訣
外断熱工法のメリットとデメリットがわかったところで、後悔しない家づくりの秘訣を3点紹介します。
それぞれ紹介します。家づくりに後悔を残したくない方はぜひ参考にしてください。
性能とコストのバランスを考える
家づくりでは、性能とコストのバランスを考えることが重要です。外断熱工法は、初期費用は高くなりますが、冷暖房費の削減効果が期待できます。長期的な視点で考えると、コストパフォーマンスは良いと言えるでしょう。
しかし、予算が限られている場合は、外断熱工法を採用したことで他の希望が実現できなくなる可能性があります。壁厚を薄くする・断熱材の種類をグレードダウンするなど、コストを抑える工夫が必要です。
専門家のアドバイスを受けながら、性能とコストのバランスが良いプランを検討しましょう。
設計・施工実績のある会社を選ぶ
外断熱工法は、高い断熱性能を発揮する優れた工法ですが、施工精度が重要です。施工が不十分だと、断熱性能が低下したり、外壁材が剥がれたりする可能性があります。
そのため、外断熱工法を採用する場合は、設計・施工実績のある会社を選ぶことが重要です。設計・施工実績のある会社であれば、知識と経験が豊富で、高い施工精度の家を建ててくれます。
外断熱工法は、快適な住空間を実現できる優れた工法です。設計・施工実績のある会社を選び、後悔しない家づくりをしましょう。
複数の会社を比較検討する
外断熱工法は、高い断熱性能を発揮する優れた工法ですが、設計・施工会社によって、技術力や費用、サービス内容などが異なります。後悔しない家づくりをするためには、複数の会社を比較検討することが重要です。
比較検討するポイントは下記です。
- 外断熱工法に関する知識と経験の豊富さ
- 高い技術力を持つ会社かどうか
- 見積もりによる費用面の比較
- アフターサービスの内容
- 担当者と相性が良いかどうか
比較検討の方法は下記を活用しましょう。
- 各社のホームページ
- 住宅展示場
- 実際に外断熱工法で家を建てた人の口コミ
- 建築士会
複数の会社を比較検討することで、自分に合った会社を見つけられます。外断熱工法は、快適な住空間を実現できる優れた工法です。複数の会社を比較検討し、後悔しない家づくりをしましょう。
まとめ
今回は、木造で外断熱工法の家を建てる際のポイントを紹介しました。この記事で紹介した内容を参考にして、理想の家を建ててください。
そして家づくりで大切なことは、いくつかの注文住宅会社を比較することです。注文住宅会社によって強みも特徴も異なります。しっかり比較することで、納得いく家づくりをしましょう。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。