ZEH住宅とは?仕組み、メリット・デメリット、建てる際のポイントも解説

当ページのリンクには広告が含まれています。

ZEH住宅は、省エネ性能の高い住宅として近年注目を集めています。しかし、メリットばかりではありません。

家を作る際には、デメリットもしっかり理解した上で、後悔のない選択をすることが重要です。

本記事では、ZEH住宅について仕組み、メリット、デメリット、後悔しない選び方まで徹底解説しています。ぜひ家づくりの参考にしてみてください。

また、以下の記事では家づくりを行う際におすすめの断熱方法である『外断熱工法』に関して解説していますので、注文住宅を検討している方はぜひ一度チェックしてみるといいでしょう。

目次

ZEH住宅とは?

ZEH住宅は、『Net Zero Energy House』の略称で、年間のエネルギー収支をゼロにする住宅です。高断熱性能と省エネ設備、太陽光発電などを組み合わせることで、エネルギー消費量を大幅に削減します。

ZEH住宅には、以下の3種類があります。

  • ZEH:年間エネルギー収支がゼロを目指す住宅
  • ZEH Ready:ZEH住宅よりも省エネ性能の高い住宅
  • ZEH Oriented:ZEH住宅への移行を容易にする住宅

ZEH住宅は、以下の3つの要素を組み合わせることで、エネルギー収支をゼロにします。

  • 断熱性能向上:高断熱材を使用することで、熱の出入りを抑える
  • 省エネ設備導入:高効率な家電や太陽光発電システムなどを導入する
  • 太陽光発電:太陽光で発電した電力を住宅で使用する

ZEH住宅のメリット

ZEH住宅にはメリットが多くあります。

詳しく見ていきましょう。

光熱費の大幅削減

ZEH住宅は、高断熱・高効率設備と太陽光発電などを組み合わせて、従来の住宅と比べて年間光熱費を約40%の削減が可能です。これは、年間約10万円の節約にもなります。(参考元:国土交通省

つまり、ZEH住宅に住むことで、数十年の間に数百万円もの光熱費を節約できる可能性も秘めています。初期費用は高くなりますが、ランニングコストを大幅に削減したい方にとって、ZEH住宅は非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。

快適な室内環境

ZEH住宅は、一年中快適な温度で過ごせるという点もメリットです。高断熱材や高気密性能の高い構造を採用することで、室内の熱の出入りを抑えます。

冬は暖かく、夏は涼しく快適な室内環境を実現し、冷暖房費を大幅に削減可能です。

また、太陽光発電システムを設置することで、日中に発電した電力を住宅で使用できます。太陽光発電で発電した電力は、電気代の節約だけでなく、余剰電力を売電して収入にもできるでしょう。

災害時の安心

ZEH住宅は、以下の3つの要素により、災害時のリスクを軽減できます。

  • 断熱性能による室温維持

ZEH住宅は、高断熱材や高気密性能の高い構造を採用し、室内の熱の出入りを抑えます。停電時でも、室温をある程度、維持可能になり、特に冬場の暖房確保に役立つでしょう。

  • 太陽光発電による電力確保

太陽光発電システムを設置したZEH住宅であれば、停電時でも太陽光で発電した電力を自家消費できます。スマートフォンや懐中電灯などの充電、冷蔵庫や冷凍庫の稼働などに活用でき、ライフラインの寸断による被害を軽減可能です。

  • 高効率設備による節水・節電

ZEH住宅には、高効率な給湯器やトイレ、シャワーヘッドなどが標準装備されている場合があります。これらの設備は、災害時における限られた水や電力を節約し、より長く生活を維持できるでしょう。

高い資産価値

ZEH住宅は、高断熱性能や高効率設備、太陽光発電システムなどを備えていることから、高い資産価値を有する住宅と言えます。

  • 省エネ性能によるランニングコスト削減

ZEH住宅は、光熱費を大幅に削減できる省エネ性能の高い住宅です。長期的な視点で見ると、ZEH住宅の方が一般住宅よりもランニングコストが低くなります。

そのため、購入後のランニングコストを考慮した資産価値評価において、ZEH住宅は有利に評価されるでしょう。

  • 政府支援による補助金・税制優遇

ZEH住宅の普及促進のため、政府は補助金や税制優遇制度を設けているのが特徴です。これらの制度を活用することで、ZEH住宅の購入費用を抑えられます。

資産価値評価においても、補助金や税制優遇制度の恩恵を受けられるZEH住宅は、より高く評価されるでしょう。

  • 環境性能への評価の高まり

近年、地球温暖化対策や環境問題への意識が高まっており、環境性能の高い住宅に対する需要も高まっています。ZEH住宅は、CO2排出量を削減できる環境性能の高い住宅であり、資産価値評価においてもプラスに評価される要素となるでしょう。

  • 長期的な住み心地の良さ

ZEH住宅は、高断熱性能や高効率設備により、一年中快適な室内環境を実現可能です。また、太陽光発電システムを設置することで、災害時の電力確保にも役立ちます。

このような長期的な住み心地の良さは、資産価値評価においても重要な要素といえるでしょう。

  • 将来の住宅市場における需要

今後、エネルギー価格の高騰や環境問題への意識の高まりから、省エネ性能の高い住宅に対する需要がさらに高まると予想されます。そのため、資産価値評価においても、ZEH住宅は有利に評価される可能性が高いと言えるでしょう。

政府からの補助金

ZEH住宅は、省エネ性能だけでなく、国や自治体から補助金を受けられるというメリットも魅力です。補助金の種類は豊富で、最大数百万円もの補助金を受けられる場合もあります。

初期費用は従来の住宅よりも高くなりますが、補助金制度をうまく活用すれば、賢くZEH住宅を建てられます。

ZEH住宅のデメリット

ここまでメリットを紹介してきましたが、ZEH住宅にはさまざまなデメリットもあります。

それぞれ見ていきましょう。

建築コストの上昇

ZEH住宅は、高断熱性能・省エネ設備・太陽光発電などの導入により、一般住宅より建築コストが高くなるデメリットがあります。これは、ZEH住宅の快適性と省エネ性能を実現するために必要な設備や材料が高価であることが原因です。

ZEH住宅の建築コストは、大きく以下の3つに分けられます。

  • 構造躯体:柱や梁などの建物の骨格部分にかかる費用
  • 外壁・屋根:断熱材や外壁材、屋根材などの費用
  • 設備:キッチン、浴室、トイレ、給湯器、太陽光発電システムなどの費用

ZEH住宅の初期費用は、住宅の規模や使用する設備により大きく異なります。しかし、一般住宅よりも10%~20%程度高くなるのが相場です。

例えば、30坪の住宅の場合、一般住宅であれば約2,000万円~2,500万円程度です。ZEH住宅になると、約2,200万円~3,000万円程度となります。

設計の制限

ZEH住宅は、設計自由度が制限されるというデメリットがあります。これは、ZEH住宅の性能を最大限に活かすためには、建物全体を計画的に設計する必要があるためです。

ZEH住宅の設計において、主に以下の要素が制限される場合があります。

  • 間取り
  • 設備
  • 外観

間取りは、断熱性能を確保するために、窓の位置や大きさ、部屋の配置などの制限がある可能性があります。また、太陽光発電システムを設置するためのスペースが必要です。

設備に関しては、省エネ設備や太陽光発電システムを設置するためのスペースを確保する必要があります。そのため、キッチンや浴室などの設備配置に制限があるかもしれません。

太陽光発電システムを設置するために、屋根の形や向きなどに制限がある可能性もあります。

メンテナンス費用

ZEH住宅は、高断熱性能や省エネ設備、太陽光発電システムなど、高性能な設備を導入しています。そのため、メンテナンス費用が高くなる点がデメリットといえるでしょう。

ZEH住宅でメンテナンスが必要となる主な設備は以下の通りです。

  • 太陽光発電システム
  • 蓄電池
  • 高効率給湯器
  • 高断熱材
  • HEMS

また、ZEH住宅のメンテナンス費用は、一般住宅よりも10%~20%程度高いと言われています。たとえば、太陽光発電システムは年間約1万円~2万円程度、蓄電池の交換費用は約10年~15年で数十万円程度かかります。

後悔しないZEH住宅を建てるためのポイント

ここからは、ZEH住宅を建てる際のポイントを紹介します。

それぞれ見ていきましょう。

予算と目的を明確にする

ZEH住宅は、省エネ性能や快適性、環境性能など、多くのメリットを持つ魅力的な住宅です。しかし、初期費用が高くなるというデメリットもあります。

後悔しないZEH住宅を選ぶためには、予算と目的を明確にすることが重要です。

ZEH住宅の初期費用は、一般住宅よりも10%~20%程度高くなります。具体的な費用は、住宅の規模や設備、性能などによって異なりますが、坪当たり約80万円~120万円程度が目安です。

無理のない範囲でZEH住宅を建てられるように、以下の点に注意しましょう。

  • 自己資金の準備:自己資金が多ければ、住宅ローンの金利負担を抑えられる
  • 住宅ローンの金利:金利が低い住宅ローンを選ぶことで、返済負担を軽減できる
  • 補助金の活用:補助金を活用することで、初期費用を抑えられる

また、ZEH住宅を検討する際は、あなたの家族のライフスタイルやニーズに合致するメリットを明確にすることも重要です。

信頼できる業者を選ぶ

ZEH住宅は一般住宅よりも複雑な構造や設備のため、信頼できる業者を選ぶことが非常に重要となります。信頼できる業者を選ぶためには、以下の点に注意しましょう。

  • 豊富な実績と経験

ZEH住宅は、近年注目を集めている住宅ですが、まだまだ歴史が浅く、経験豊富な業者は限られています。ZEH住宅の施工実績が豊富な業者を選ぶことで、安心して任せられるでしょう。

  • 確かな技術力

ZEH住宅は、高断熱性能や高効率設備、太陽光発電システムなど、高度な技術が必要です。技術力が高い業者を選ぶことで、高品質なZEH住宅を建てられます。

  • 丁寧な対応

ZEH住宅は、高額な買い物です。そのため、業者選びは慎重に行う必要があります。丁寧に相談に乗ってくれる、信頼できる業者を選びましょう。

  • わかりやすい見積もり

見積もりは、ZEH住宅を選ぶ上で重要な判断材料となります。見積もりの内容がわかりやすく、納得できるものであるか確認しましょう。

  • アフターサービス

ZEH住宅は、一般住宅よりもメンテナンスが必要となる場合があります。充実したアフターサービスを提供している業者を選ぶことで、安心して暮らせるでしょう。

長期的な視点で考える

ZEH住宅は、省エネ性能や快適性、環境性能など、多くのメリットを持つ魅力的な住宅です。しかし、初期費用が高くなるというデメリットもあります。

後悔しないZEH住宅を選ぶためには、長期的な視点で考えることが重要です。以下の点を考慮して、ライフプランに合致するZEH住宅を選びましょう。

  • 家族構成の変化

将来家族構成が変化する可能性がある場合は、それに対応できるZEH住宅を選ぶ必要があります。

  • ライフスタイルの変化

将来、ライフスタイルが変化する可能性がある場合は、それに対応できるZEH住宅を選びましょう。

  • 老後の生活

老後の生活をZEH住宅で過ごしたい場合は、バリアフリー設計など、老後の生活に配慮したZEH住宅を選ぶ必要があります。

まとめ

今回は、ZEH住宅について詳しく紹介してきました。ZEH住宅は、断熱性能や気密性を高め、高効率な設備を取り入れることで、エネルギー消費量を大幅に削減できる住宅です。

光熱費の大幅な削減や、一年を通して快適な室内環境を実現できる点が魅力となっています。しかし、ZEH住宅は一般住宅よりも初期費用が高くなるため、後悔のない選択をするためには、信頼できる業者を選びましょう。

本記事があなたのお役に立てれば幸いです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次